◾️仕事の礼式

 仕事に於いて迚も斯くても人柄に勝るものは無い。機転が利き円転自在に振る舞える人物。ポジティブに物事を受け止め、失策を昇華させる意気が有る人物。

 

 人を採る際、学歴には重きを置かない。一先ずは卒業した大学でなく出身高校を見る。中学時点で一般的な努力をしたか否か、基礎的な学力が有るか否かを判断する。成績が揮わない場合、何をしていたか尋ねる。部活動、ボランティア等であれば具体的に成した事と獲得したものを尋ねる。

 院卒ならば何を研究していたか尋ね、究めるに至った動機を聞く。基本は文系なら評価しない。院ロンダ(学歴ロンダリング)か否か見極める。

 新卒採用をしていた時期も有るが、中途採用が圧倒的に多かった。年齢よりはスキル、スキルよりは経験を見たが経験より重んじるのは人柄だ。

 目を見て話を聞いているかどうか。論理的な話題で理解力が有るのかどうか。ネガティブな言動が無いか。ただ働くのでなく会社に何を提起、或いは提供出来るのか。自分なりに現代社会に対する考え方を持っているか。

 

 仕事に対する姿勢には人格が表れる。言い訳が多い者は向上心が無い。周囲の人間とコミュニケーションが取れないどころか、摩擦を起こすだろう者は要らない。自信の無い者も要らない。必ずトラブルを引き起こすからだ。

 「この職場に在る自分」に疑問を抱く事は悪くない。それが現実逃避でなければ。転職の経緯を理路整然と説明出来るか否かも観察する。

 

 可も無く不可も無い者は採らない様にしていた。個性が無い、つまり発展性も無いからだ。個性の塊でありながら「可も無く不可も無い」表情を装える者は好ましい。それは機転が利くという長所に入る。

 一度採用すれば縁が象られる。採用した責任が有るからして公私に亘り面倒は見る。公私に亘り面倒を長く見たいと感じられる者を採る。

 やはり最終判断は人柄に尽きる。